松本建築金物店

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TOPICS!  錠前の防犯性能に係る新制度発足!!


 近年、住宅性能の重要な項目のひとつとして「防犯性能」がクローズアップされています。しかし、実は従来、それに関する法的な義務も、公的な指針も存在していませんでした。
 そういった事態を憂慮し、2003年、警察などが主体となり、立法ならびにおおやけの基準を制定し、いよいよ今春から実施されることとなりました。




特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律 (通称;ピッキング禁止法)
法案提出:内閣委員会  公布:平成15年6月4日、法律第65号  施行:平成15年9月1日
 

 この法律の主題は、名称の通り「不正開錠行為の取締り強化」です。 
 近年の住宅侵入盗を含む犯罪発生件数は、かなり多いレベルで推移しています。しかも、それに対して検挙率が極端に低下しています。その理由は、複雑化、凶悪化する手口に警察の対応が追いつかなためだとも言われています。特に、外国人窃盗団などの暗躍が、従来は顕著でなかった「プロの鍵屋の開錠技術を駆使する手口犯」の蔓延を生でいることは、今さら言及するまでもありません。そういった手口を具体的に禁止し、犯人の検挙を容易にするのが本法の目的なのです。

 この法は、おおまかに2つの骨子を持っています。
 ひとつは「開錠用具の所持制限」、もうひとつは「玄関錠の性能表示の義務」です。つまり、攻撃する道具と攻撃を受ける錠を、包括的に捉えたものということになるのです。


開錠用具の所持制限

 「開錠用具の所持制限」につては、業務に携わる者以外の所持と売買の原則禁止を謳っています。
 禁止される用具は「特殊開錠用具」と「一般開錠用具」に大別されています。これらを、鍵屋さんなどの正当な理由がある業者以外が理由もなく所持していると、懲役や罰金を含む罪に問われます。今までは、インターネットなどで野放しだったピッキングなどの用具の販売や転売、貸与(販売を業となす者が、業をなさない者に対して行う場合や、十分な身分照会を行わずに譲り渡した場合)なども、当然不可能となります。この部分に関しては、すでに昨年9月1日から運用されています。

 同法にかかわる政令で、以下の用具が規制対象になっています。
政令(平成15年8月1日 内閣総理大臣署名、第355号)が定める用具と理由(管理者、註)

用具名用具の概要と理由





ピッキング
用具
鍵穴に挿入し、シリンダー内のタンブラーと呼ばれるピンを動かし、不正に鍵山をあわせ、キーがなくとも、しかも無傷で開けてしまう手口に使う針金状工具。旧型の普及シリンダーの多くが、この手法によって簡易に開錠させられる手口が多発したため。最近は、従来狙われていた型式以外(旧式ピンシリンダー)も同被害にあっていると言う報告がある。
破壊用
シリンダー回し
鍵穴にあてがって使うドライバー状の工具。これで鍵穴の口金部を破壊撤去し、開錠に至る。ごく初期に「ピッキング対応」と言われて売られた2種の特定のシリンダーについてのみ行われる。
ホルソーの
シリンダー用軸
最大手錠メーカーの破壊開錠に用いられる工具。これをホルソーというドリルの先端工具のセンタービットとして使用することで、シリンダーキャップを破壊し、内容物を抜き取り、開錠する。
サムターン回し ドアに穴を開け、そこからロット棒状の当該工具を挿入し、サムターンから錠を開錠する手口に使用する。この形態以外にも、針金を知恵の輪状に曲げたものを建具先端側から挿入する手口もあるが、今回の法では「判別が難しい」ということで保留されている。





政令で定める
ドライバー
マイナスドライバーで先端部の幅が0.5cm以上、全体の長さが15cm以上のもの。上記「破壊用シリンダー回し」の代用として使われるほか、ガラス破りや小型バールの代用としても使用可能なため。
政令で定める
バール
作用する部分のいずれかの幅が2cm以上で、長さが24cm以上のもの。玄関建具のあおり破壊に使われるほか、引き戸サッシや雨戸の持ち上げ、シャッターのこじ破り、ガラスの打ち破りなど、もっとも応用範囲が広く危険な工具。持ち運びの容易さからこのサイズからの指定になったが、大きいほうが被害を与える効果が高い。
政令で定める
ドリル
電動・手動を問わず、直径1cm以上の刃が附属するもの。先の「ホルソー」による破壊、「サムターン回し」における開口作成に使われるほか、鉄工キリを装着しシリンダー自体を潰したりという手口に使用されるため。

以上の用具を不用意に所持または隠し持ち、夜間に徘徊するなどの怪しい行動をとっていると、検挙の対象になる可能性もあります。確かに、ドライバー1本を持っていただけで、侵入目的がないにもかかわらず逮捕される可能性があるなどと、不当解釈を危惧する声もあるのは事実ですが、現在までは特に問題も起きず、逆に従来では逮捕不可能な専門用具の所持による逮捕も報告されており、効果は上がっていると解釈されます。


玄関錠の性能表示義務

 一方の「玄関錠の性能表示義務」については、2004年4月から実施されます。 
 これは、各種間仕切り建具(扉)に付属する「建物錠」の中でも、特に玄関で使用するものについて「指定建物錠」と定め、その錠前セット一式ならびに、(おもに交換目的の部品の)シリンダー単体、サムターン単体について、防犯性能の表示を錠メーカーや、同輸入業者に対して義務付けるというものです。
 表示すべき性能は、下の表にあるように、2段階もしくは3段階の中で該当部分を選択することになります。
 表示を拒ばんだ場合や、虚偽の申告をした場合は、公安委員会より改善命令が出され、それでも従わない場合は、立ち入り検査、罰金などの罰則が盛り込まれています。また、緊急な対策が必要な手口が報告された場合などは、勧告もできるようになっています。
 今までは、メーカーの自主規則や自主判断でしかなかった性能が、公に定められた基準に沿って公開されるわけですし、「CP-C」においてはあくまで一律認定だったため、超高性能とぎりぎり性能の差異が見て取れなかったなどの問題もあったために、今後は消費者にとってはたいへんわかり易いものになります。

シリンダー錠に対する表示
平成15年法律第65号 第7条
指定建物錠の防犯性能表示

事 項
性 能
耐ピッキング性能
5分未満
5分以上
10分以上
耐かぎ穴壊し性能
5分未満
5分以上
10分以上
耐サムターン回し性能
あり
(5分未満)
なし
(5分以上)
耐カム送り解錠性能
あり
(5分未満)
なし
(5分以上)
耐こじ破り性能
あり
(5分未満)
なし
(5分以上)
出荷時かぎ本数
3 本
*性能表記は例です

シリンダーに対する表示
平成15年法律第65号 第7条
指定建物錠の防犯性能表示

事 項
性 能
耐ピッキング性能
5分未満
5分以上
10分以上
耐かぎ穴壊し性能
5分未満
5分以上
10分以上
出荷時かぎ本数
3 本
*性能表記は例です

サムターンに対する表示
平成15年法律第65号 第7条
指定建物錠の防犯性能表示

事 項
性 能
耐サムターン回し性能
あり
(5分未満)
*性能表記は例です

 以上のように、それぞれの商品に対し、該当する部分を囲む、塗りつぶす、該当性能のみを表記するなどし、明示することになります。
検査の概要
耐ピッキング
性能
3個の試験体に対し、3人の試験員が各3回ずつピッキングを行い、その開錠までがもっとも短時間だったものの時間を表示する  最大試験時間は15分
耐かぎ穴壊し
性能
政令で定めるホルソー、かぎ穴破壊用シリンダー回しによる試験 3人の試験員が各1回ずつ、最大15分間おこない、両方法でもっとも短いものの時間を表示する
耐サムターン回し
性能
政令で定めるサムターン回し用具を用いる 3人の試験員が各1回ずつおこない、5分未満で開錠できたものがあるかを表示する 必要に応じ、戸に工具を挿入する穴(直径10〜13mm)を2箇所開ける事ができ、その時間は算入しない
耐カム送り解錠
性能
政令で定めるカム送り解錠用具を使い、3人の試験官が5分以内で開錠できたかを表示する
耐こじ破り
性能
施錠状態で、1人の試験官によるバールでのこじ開け試験で5分未満で、また、かんぬきに横から1万Nの圧を30秒間かけ、共に錠が施錠能力を失わないか
出荷時かぎ本数メーカー出荷時に付属している子かぎの本数

 
 以上のような表示内容に基づき、箱か取扱説明書などの見やすい場所に表示をすることになります。これによって、従来のように「これは世界最強だから」とか「絶対開きません」といった抽象的で扇動的な広告はできなくなります。

 ところで、この法は性能表示をしないメーカーと輸入業者を罰する条項はありますが、それがなされていない錠の使用自体や販売を、罰則をもって禁止するものではありません。
 しかし、法の中では「錠前取り扱い業者の消費者に対する正しい性能説明義務」という規定もあります。つまり、メーカーが正しく表示し、販売、施工を請け負う取り扱い業者者(鍵屋、金物屋、ホームセンター店員、サッシ業者など)がそれらを正確にこユーザーに説明できなければならないということです。これも罰則規定はないのですが、説明を受けたユーザー自身が「そんな性能のものはいらない」と拒否しない限りは、実質的に玄関錠として使用される可能性はなくなります。
 たとえば、「食品衛生法」による賞味期限表示義務はあるものの、それを超えたものを食べるか食べないかは消費者の勝手であるのと同じことなのです。同様に、いいかげんなこと業者がすれば、近年多発する不正表示騒動のようになってしまうのです。ぜひとも、そういった事項を理解している業者からお買い上げになることをお薦めします。

 ただし、この表示は、流通在庫(販売店にすでに行き渡っている在庫商品)については、経過措置的に表示義務を免除されることになっています。それら商品については、表示商品と同等であれば、それを目安に販売店自身が判断するように求められています。少なくとも、当面はそれらが混在する事態となりますので、なおさら、理解している業者からお買い上げになられることをお勧めします。






「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」
 
 02年から進められている「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」という事業があります。この会議は、従来の住宅パーツの防犯性能が、現行手口に対しあまりにも低いと言う意見、もしくは防犯商品といわれるものの総括的な安全基準が求められていることを受けて、警察庁、国土交通省、経済産業省の3省庁と、ロック、サッシ、シャッター、ガラス等工業団体などを加えた15の民間団体が意見を出し合い、想定されるさまざまな侵入手口に対し部会ごとの防犯性能基準を制定しようとするものです。制定された細則に沿って認定試験を行い、合格した商品をリストとして04年4月に発表することになっています。
 認定の方法としては、手口に詳しい複数の試験官により実際に破壊実験を行い、指定された手口に対し、人が通過できるようになるまでに「5分以上耐久する(複合的な対策に対してはすべての突破に対して5分程度以上)」ことがおもな要件とされています。また、一部の商品については、破壊時に発生する騒音(発生源より1m離れた場所で90db以上)も規定されます。
 発表される認定商品は、もちろん法的な使用義務などを有するものではありません。しかし、日本で初であり唯一の公的で総合的な防犯商品の認定制度ですから、その意義と重要性は非常に重要なものがあると言えるでしょう。実際に、サムターン回しやバールによるドアの破壊などは、錠だけの問題ではなく扉全体の強度も関係してくる問題ですから、先般の法の遵守だけでは心細いところもあります。
 

「官民合同会議」の構成団体
警察庁/国土交通省/経済産業省
板硝子協会/日本ウインドウフイルム工業会/(社)日本シャッター・ドア協会/(社)日本サッシ協会/(社)全国警備業協会/(社)日本防犯設備協会/日本ロック工業会/(財)全国防犯協会連合会/(財)ベターリビング/(社)建築業協会/(社)住宅生産団体連合会/(社)日本建築士会連合会/(社)日本建築家協会/(社)日本建築士事務所協会連合会/(社)日本損害保険協会  
以上、3省庁15団体(順不同)


試験を実施する建物部品

部品名
検査される
手口
試験内容(合格要件)


シリンダー
サムターン


ピッキング特殊技能試験員(以下、注釈があるまで)3個の試験体に各3回(計9回)おこなう ピッキングで5分未満で1つも開錠しないとき
インプレッション鍵なしの状態からやすり等を使い鍵を作る方法 試験体数はピッキングと同じ
バイパス
開錠
いわゆる「カム送り解錠」の試験 3名が各1個の試験体について5分未満で解錠しないか検査する
キー
読み取り
かぎ穴をのぞき、タンブラーの高さを読み取る 試験体数はピッキングと同じ
サムターン
回し
錠の付いた試験台に10mmの穴2個を開け、そこから工具を差し込む 試験対数はバイパスと同じ
かぎ穴壊し3名の一般試験員が各1体に対し(以下同じ)ドリルでかぎ穴を壊し、5分未満での耐久 ただし2mの位置で90db6回もしくは100dbの音が計測された場合は即中止(以下同じ)
シリンダー
もぎ取り
・引き抜き
ハンマー、レンチなどでシリンダーを攻撃する 5分未満で開錠しなければ合格
シリンダー
プラグ捩り
かぎ穴に金属棒を挿入し、無理やり回転させて開錠させる  
デッドボルト
切断
試験体3個のかんぬきを金切りノコで切断し、5分未満で1/2以上切断できるか
焼き破りバーナーで5分未満で融解しないか 主要部が亜鉛や樹脂などの場合にのみ行う
こじ破り
受け座壊し
バールでドアをあおり、5分未満で錠が破綻、開扉しないか
スチール
軽量鉄板ドア

アルミドア

アルミ引き戸
錠こじ破り
受け座壊し
バールで扉をあおって、扉を開ける 5分以上かかった場合に合格とする ただし、上記基準に合格した錠を装備していることが条件となる(以下同じ)
戸板破り
(サムターン回し)
戸の面材に穴を開け、5分未満でサムターンの操作ができない場合が合格
*スチール扉のみ対象
戸板破り
(破壊侵入)
戸の面材を破り、5分未満で人体が侵入できない場合が合格
窓サッシ引き戸クレセントはずし、サッシ戸はずし、クレセント破り
開き戸こじ破り
上げ下げこじ破り
ガラス打ち破り、こじ破り、焼き破り
ウインドウ
 フイルム
打ち破り、こじ破り、焼き破り
窓用
補助部品
雨戸戸板はずし、こじ破り、切り破り
面格子格子破り、格子切断
窓シャッターこじ開け、切り破り、シャッター錠破り




重量シャッタースラットこじ開け、座板こじ開け(バール、油圧ジャッキ)、切り破り侵入、
軽量シャッターシャッター錠破り、スラットこじ開け(端部、中間柱)、座板こじ開け(バール、油圧ジャッキ)、切り破り侵入、
シャッター用
スイッチボックス
ピッキング等、穴あけ、こじ開け


 今回の認定基準は、実はたいへん厳しいものになっています。ほとんどの商品が、従来からのハイエンド商品か、新たに改良、新設計されたものになり、当然製品単価も上がりますし、施行も複雑な手順を必要とするようになれば、当然施工費用も上がってきます。どんなにハイスペックであっても、価格が高ければ当然、普及に対するブレーキになる可能性があります。これに対応するために、今回は従来の規格認定と異なり、普及策にも力が注がれています。
 たとえば、この会議での選定商品をBL認定商品に改定するという計画があります。BLは公的要素や要件を含んだ物件では使用が定められていることもあり、たとえば、これを使用していなければ公庫融資が受けられないといったことも考えられます。
また、盗難保険でのそういったパーツの使用の有無による等級(掛け金)の優遇措置や、ホームセキュリティの加入条件とするといったことなども検討されています。自動車ではすでに、盗難の可能性が高い車種については、何らかのセキュリティ装置を導入していなければ盗難保険に加入できないといった措置がとられていますから、まったく考えられない話ではないのです。
 さらには、今回の基準となる試験方法やスペックを、将来的にはJIS等にて標準化する動きもあるようです。

 こういった防犯対策が進むと気になるのが、すでに使用されている旧来の錠やパーツでしょう。ある意味、それらの多くは「現状での防犯性能は怪しい」とレッテルを貼られたようなものです。当然、今後はこういったパーツの強化も求められるようになると思われますが、改造、強化するためのパーツというのは今回は認定されません。合格した商品をもとに不足する性能を補うか、認定されたものにそっくり入れ替えるしかありません。
 ただし、少なくとも錠に関しては、建具の脆弱性まで補うほどのスペックを有したものが発売される予定もあると聞こえてきますから、そういたtものを導入することで、かなりのスペックアップになると考えられます。


2つの取り組みの整合性について

 別省庁から発表される複数の法律や指針、もしくは新旧のそういったものの間で、厳密な整合性が取れていないことは、よくあることです。今回の法律と会議でも、実はそれがあります。
 たとえば、「官民合同会議」での錠のピッキング試験は、従来CP−C認定と同じくロック工業会が推薦する手練の錠前職人の手によっておこなわれます。しかし、「性能表示」に関しては、各メーカーが独自に擁立した職人でかまわないことになっています。もちろん、最低限の技術(ディスク及びアンチピック仕様でない6Pシリンダーを5分以内に開けることができる)は要求されていますが、これは開錠を業とする者なら初心者でも可能なレベルでしかなく、ディンプルキーシリンダーでも開錠できる職人とは雲泥の差が出てしまいます。
 また、「官民合同会議」にはあって「法」にはない試験項目というのもあります。(インプレッション、シリンダー打ち抜き など)
 こういったことを加味して考えると、現在のところは「官民合同会議」で選ばれた錠(当然、玄関錠として性能表示もされる)のほうが、レベルが高いと言えるでしょう。






警察と関係省庁の対応
 警察庁はピッキングや侵入窃盗事件の激増を重要視し、平成12年7月に『特定重要窃盗犯』に認定、一連の外国人犯罪とともに、全国都道府県警察に対し強力に捜査するように通達しました。
また、平成13年3月には『安全安心まちづくり推進要綱』を制定し、建設省(当時)、都市基盤整備公団、不動産・建設団体に対して、町なみやマンションなどの構造、設備面からの対策を考慮するよう要請しました。

 国土交通省・住宅局は、平成13年、警察庁と共同で、協同住宅の防犯に関する技術的ガイドラインであり我が国初の防犯設計指針である『防犯に配慮した共同住宅の設計指針』および『共同住宅の防犯上の留意事項』をまとめました。指針は、新築、既存物件の改修にかかわらず、「設計の進め方」「共用部分の設計」「住戸専用部分の設計」に分けて具体的な防犯対策手法を規定し、留意事項は生活範囲内で留意すべき所見について項目をあげているものです。これに沿ったところで、大阪市や大分県別府市などのいくつかの地方自治体では、マンションの防犯認定制度を設けています。

 錠前メーカーによる任意団体である社団法人日本ロック工業会は、平成12年7月より、財団法人全国防犯協会連合会と連携し、『優良住宅用開きとびら錠等の型式認定、CP-C認定制度』にもとづき、ピッキングに強い「CP-C」規格に準拠したシリンダーの開発、認定、販売を開始しました。(後述、CPマーク認定開始にともない、新規募集を停止中)

 大阪府では全国に先駆け、これらの知識や工具の有償の譲渡の規制を含めた『大阪府安全なまちづくり条例』を平成14年より公布し、違反者に10万円以下の罰金を処すことになっています。
 それを追って平成16年4月、警察庁が提案した「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」が施行され、ピッキングの用具を所持しただけで処罰の対象になるようになりました。同法律では、錠の性能表示義務化も謳っており、ピッキングに対する具体的な耐久時間の明示がされるようにもなっています。
 同じ時期、警察、国交、経済産業3省庁と工業会など関係団体が合同で策定した「防犯に強い建物部品の開発、普及に関する官民合同会議」が認定した「CPマーク」を制定、承認をおこなっています。ピッキング耐久に関しては、5分以上耐久が認定のラインになります。

 また、平成18年4月からは、住宅性能表示制度が改定され、新たに防犯性能の表示が求められるようになります。この要件として、CPマークの建物部品が使用されていて、評価委員(建築士)が認めることが要件となります。









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