狙われたディスクシリンダー

― 総まとめ・ピッキング騒動のすべて ―
2006.Feb.20.UpDATE




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■ ピッキングとは? ■
■ ピッキング被害の現状  ■
■ ピッキングで開くカギと対策 ■
■ ピッキングで狙われる家 ■
■ ピッキング犯人像と背景 ■
■ MIWAロックの対応 ■
■ ピッキングに強いカギ ■
■ よくある間違い Q&A ■
 1998年、東京都豊島区において、不法入国の中国人による連続空き巣盗グループが検挙されました。彼らのアジトから、大量の日本製の錠前と、「ピッキング」と呼ばれる解錠用特殊工具が押収されます。彼らはここで練習を重ね、犯行を繰り返していました。この犯人グループこそ、後に大きな騒ぎとなる一連の「ピッキング窃盗団」の一派だったのです。


 ここ数年 、TVや雑誌などでさかんに報道されたこともあり、「ピッキング」という言葉の認知度は高まりました。
しかし、情報のなかには間違ったものが多く見受けられます。ここでは、一連の騒動の真実と現状にに迫ります。


 

「ピッキング」とは ?
  「ピッキング」とは、「ピック」と「テンション」と呼ばれる針金状の2本の工具を使用して、シリンダー(錠のかぎ穴部分)を操作し、本来のキーが無い状態でで錠を開ける手法のことで、カギをなくしてドアが開かなくなった時などに錠前技術士が行う行為です。ピッキング盗とは、これを悪用し、施錠されたドアのロックを不正に開け、空巣をはたらくことです。 彼らが開錠に要する時間は、わずか数十秒だと言われています。

 ※ 他の手口での空き巣被害や、侵入事件自体を「ピッキング」と呼ぶマスコミが見受けられますが、この用法は間違っています。


ピッキングによる侵入窃盗認知数の推移
(警察庁統計/05年は1〜6月半期、全国統計は00年以前の統計はなし、東京は03年以降不詳)


ピッキング被害の現状
 大規模なグループが初めて摘発された1998年(平成10年)以降、同手口の認知件数が爆発的に増えましたが、ピークの2000年以降は、特に被害が多かった東京、神奈川などで大幅な減少に転じました。理由としては、警察の取り締まり強化、関係省庁の啓発の浸透、個別でのシリンダー交換が進んだことなどもあるようです。これを受けて、「ピッキング盗、終息宣言」などと報じた新聞社もありました。
 しかし、同手口を使うグループが減少したわけではなく、他の地方都市に分散しただけだったのです。たとえば埼玉(00年、2429件→01年、2942件)、愛知(00年、1972件→01年、2030件)、大阪(04年、238件→05年1−9月期、478件)などでは、逆に、被害件数の増加がみられています。

 現在に至っては、一時は社会現象化し、対策シリンダーの製造が間に合わない事態まで引き起こしたピッキング騒動も、鎮静化の傾向を強めています。ですが、今回も犯罪グループが減少したわけではなく、彼らが新たな別の手口へ転換しただけと言われています。実際に、ピッキング被害減少と反比例するように、「サムターン回し」など新手の手口が増加していることからも、それを察することが出来ます。
 
 なお、ピッキングについても、手口は継承され、一時期ほどでないにしろ、被害は報告され続けています。実際にピッキング対策されていない既存物件はまだまだ多く現存していますので、今後対策の必要がないと思うのは、早合点と言えるでしょう。



ピッキングで開くカギと、その対策
 ピッキングで開けることが不可能なカギ(錠シリンダー)は、世の中に存在しません。問題は、それにかかる時間です。これが極端に短いと、防犯力が低いと言わざるを得ません。

狙われた、ディスクシリンダー
ディスクシリンダー ピッキングに弱い73ディスクシリンダーの鍵

 一連の事件で集中的にねらわれているのは、この美和ロック社の「73(ナナサン)」をはじめとする、「ディスク」と呼ばれるタイプのシリンダーです。
 73ディスクシリンダーは、1973年以来30年近くにもわたって販売された同社の標準タイプの製品(当時)で、公称33,593,320通りのカギ違いを有していました。この数字は当時としては画期的なもので、世の中に同じカギの家が2つとないということが、当時の防犯のアイデンティティーだったのです。また、埃などの侵入による動作不良にも強く、最終的には国内住宅の60%、約7000万件で使用されたとされています。

 しかし、このシリンダーは、ピッキングで比較的簡易に開けられる構造を有していました。犯人グループは、このシリンダーの普及数に目をつけ、この解錠を専門に学び、効率的な犯行を行うことを考えたわけです。

 一方、このようなキーを用いる旧型の「ピンタンブラー・シリンダー」についても、法定表示で「5分未満」のものが多く、解錠技術者レベルでの開錠は簡単です。しかし、「73ディスク」とは構造や開錠の技法が異なり、簡単に応用できません。よって、同じ性能表示でありながら、ピッキング盗としての被害例は多くはないようです。

ピッキングで狙われる家とは?
 ピッキング被害の発生数割合を見ると、戸建て住宅ではたいへん低いことがわかります。圧倒的に被害数が多いのは、マンション、アパートといった集合住宅で、2001年の東京都内マンションでの空き巣被害の侵入手口では、実に49%がピッキングによるとされています。(警視庁資料による)
 理由はさまざま言われていますが、玄関以外の侵入経路が少ない(戸建てであれば窓のほうが多く、また破壊もしやすい)、ドアや錠への損傷がほとんどないため、他の住人が被害宅の前を通っても異常を察知できない、また、大きな音がしないため気付かれにくいといったことがあるようです。

 マンションでも、被害は上層ならびに高層階に多く見られます。これは、地上から見上げた時に、手摺や腰壁の死角になって犯行中の姿が見えなくなるためと、特定の住人以外の出入りが少ないためとも言われていますが、下層階ではベランダや窓などの別ルートでの侵入も容易なため、玄関以外から入られる場合も多い現実があります。

ピッキングの対策法
 もっとも簡単な対策としては、現在のシリンダー(鍵穴部)を「ピッキング耐久性が高いもの」に交換してしまうことです。主要メーカーの錠にはほぼ、交換用のハイセキュリティシリンダー(法定表示で5分以上、または10分以上のもの)がラインナップされていますし、他社の有力シリンダーが装着可能な製品も多くあります。また、交換自体は素人の方でも出来るものも多く、当社でも一般向けに販売しております。


 


ピッキングの犯人像と背景
犯人像
スーツを着込みサラリーマン然としたり、作業員風の服装で工事を装ったりすることがあります。

被害額
1件での被害総額は、数万円から、多いときは数百万円。現金がないお宅でも、宝石、通帳、カードなどから、金庫、高級腕時計、パソコン、テレビ、パスポートや保険証、キーを見つけた場合はガレージの自家用車までと、あたりかまわず持ち去ります。これは、犯人の集団化とともに、インターネットなどの故売ルートが広まったためと解釈されています。

繰り返し侵入
痕跡が残らないため、何度も進入し、少しずつ盗み出すことがあります。ご丁寧に、施錠してから逃走することもあり、その場合居住者も気付かないこともあります。

集団犯行の増加
 ピッキング渦を境に、それまでと犯人像の傾向が変わったと言われています。そのひとつが、いわゆる「窃盗団」の増加です。窃盗団は5〜10人程度のチームで行い、それぞれ下見、見張り、カギ開け、物色、換金といった役割分担がされています。外国人グループの場合、日本人協力者に移動の際の車の運転(元締めの暴力団関係者など)、換金(雇われた多重債務者など)が行うことも少なくありません。これらを外国人がやると、不案内だったりと、怪しまれるからです。

外国人犯罪の増加
 「ピッキング=中国人」という話があります。確かに、ピッキングを含む侵入盗で検挙された外国人の8割は中国籍だった、また密入国者も多いという警察データがあります。

ピッキング窃盗団と「蛇頭」
 「蛇頭(スネークヘッド)」とは、いわゆるマフィアというより、密航を請負うコネクションの総称だと言われています。 密航は基本的に成功報酬で、入国確認後に200〜300万円の費用を元締めに払うようになっているようです。この額は、人件費の安い中国では莫大なものですが、ピッキング犯の月収は150〜200万といわれていましたので、まじめに?働けば2ヶ月程度でペイできる計算です。そのあがりは、地下銀行を通じて本国に送金され、出身者が多いといわれる福建省では「ピッキング御殿(?)」なる豪邸もあると言います。
 ピッキングが住宅侵入手口として広がった背景として、パチンコ台に裏ロムを仕掛けていた犯人グループが転回したとする調査意見があります。同事件は、やはり中国人を中心としたグループによるもので、遊戯店のホールへの侵入手口として使われていた同手口を、事務所荒らしや住宅侵入に転用したものだと言うことです。最初から本国で練習を重ねて来る者もいるようですが、ほとんどは入国後、蛇頭に斡旋されて始めるようです。中には、留学生が犯罪に転化したケースもありました。
 検挙された場合、当然強制送還になるのですが、同一人物が違う名前のパスポートで、再度入国、再逮捕された事件なども報告されており、この犯罪の撲滅の難しさを垣間見る気がします。

凶悪化する犯行
 外国人犯罪が増えることで、犯行が凶悪化したといわれています。住人が居るにもかかわらず侵入(居空き、忍び込み)されたり、待ち伏せや、犯行中の部屋に行き合わせての暴行、強盗被害に遭う件も報告されています。(これらは強盗、傷害などに仕分けされるため、統計上、空き巣の認知数には加えられません)以下は、平成10〜12年にかけ、ピッキングに関係がある犯行の一端です。「盗られるものがないから大丈夫」というレベルの状況でないことをお知りおきください。



東京都
臨月の主婦が帰宅したところ、家の中にいた犯人に催涙スプレーのようなものをかけられ負傷。
東京都
男性。帰宅したところ、家の中にいた複数の男にバールで殴打され、その間に逃走された。
東京都
女性の独り暮らし。侵入していた男からガムテープでぐるぐる巻きにされ、 通帳の暗証番号を聞き出される。
金沢市
検問中の警官から職務質門を受けたワゴン車から、短刀、バール、ハンマーとピッキング工具が発見された。
埼玉県
警官が通報を受け不審者を追跡中にもみ合いとなった。被疑者が奪い取った拳銃で警官が撃たれ重症を負う。
関東
/関西
/九州
東京、大阪、福岡などをまたにかけた連続広域強盗事件。資産家の宅に侵入し、在宅の家人を縛り、金庫を運び出した。リーダーは暴力団員で、中国人を中心としたグループを構成していた典型的なパターン。


ピッキングは中国人の専売特許にあらず
 しかし、なにも事件は中国人だけがおこなっているわけではありません。検挙の大半は日本人です。なかには、暴力団員がしのぎとしておこなう場合や、業者が技術を悪用するケースまであります。


技術の流出が止まらない・・・!?
 専門技術で、一子相伝に近い部分があったピッキングの技術は、情報化社会の波に乗ったように、広く伝聞されることとなりました。詳細を解説した技術書を発売するアングラ系出版社も存在しますし、専用工具は、ネットでの通販やオークションで活発に売買されているのが現状です。(現在は法律で、業務をなさない者の用具の所持は、それだけで処罰の対象となります)

 なかでも、「カギの専門学校」と称する団体による技術の流出は、深刻だと言う意見もあります。これらは各種学校の範疇ではなく、規制もありません。成長分野であるセキュリティ産業での独立開業支援と言う名目を掲げるところも多いようですが、思ったように売り上げが上がらず、結局技術を犯罪に転用するケースさえ散見されています。倒産したある学校などは、卒業生を数千人排出したとも言いますが、その中でブームが去った現在でも業に携わっているのは、その何割も居ないようです。他人の家のカギを開ける技術は持ってはいても、どこで何をしているかわからない者が何千人もいるという事実は、ある意味恐ろしいものがあります。


ピッキング騒動が生んだトンデモ事件
カギの学校で技術を習得
ピッキングで空き巣をはたらこうと、グループのひとりを受講させ、その技術を共有、犯行に及んだ。
カギの業者がピッキングで侵入
好意を寄せる女性の家にピッキングで侵入した業者が逮捕された事件。女性には面識がなく、いわゆるストーカーであった。業者はカギの学校で技術を得ており、開業してわずかしか経っていなかった。
カギの学校の経営者が殺人
自分が開発に関与したカギを宣伝するための記事を依頼した男が、意に反した暴露記事を書こうとしたそのフリーライターを共謀して殺害、遺体を東京湾に遺棄した事件。主犯の男は、業界では有名な学校(事件当時は閉鎖)の経営者。
食うために、カギを壊す
仕事が少ないことを苦にした鍵屋が、近隣で鍵穴にボンドを注入し、その後何気ない顔で営業に回った件。しかし、犯行に及んだ数十件のうち、依頼が来たのは数件のみだった。





ディスクシリンダーの発売元・美和ロックの対応
 騒動発生後、矢面に立たされる結果となった美和ロック社。事件が報道され始めた直後には、同社はすべてのディスクシリンダーを改良しました。実は、この対策済みディスクシリンダーは、ピッキングすると固まって動かなくなるという、技術者でも手間取るようなものでした。しかし、対策品と旧製品は、外観で見分けるのは困難です。

 さらにもうひとつの問題として、二十数年にわたって販売され続けたために鍵違いの数が飽和してきたことと、その構造上複雑なキープランが組めないという不都合が表面化していたのです。

 これらのことを踏まえ、同社は平成13年3月末より、段階的にを生産を縮小をはじめました。現在は、一部の補修部品と室内錠(メーカーが室内でのみの使用を推奨するもの)以外について、生産を打ち切っています

現行U9(左)と発売当初のU9キー
現行U9(左)と発売当初のU9キー
 なお、 美和ロック社は、従来のハイスペック商品であった「U9【ユーナイン】」を、同社の新規標準シリンダーに変更しました。 いわゆる「縦穴のカギを横穴に」と言うキャンペーンは、この73ディスク→U9への変更を指したものです。
 U9は、サイドバー式の「ロータリーディスク機構(注:MIWA独自の呼称)」を採用したものです。ディスクシリンダーと入れ替わりに開発されたという報道もありますが、プロトタイプも含めると、すでに20年近く前から大規模物件等で採用されている商品です。ただし、ディスクに比べ価格が高い(設計単価で、1台に付き500円程度ですが)こともあってか、ディスクシリンダーが生産中止になるまで、ほとんど普及していませんでした。

 

ピッキングに強い鍵 とは?
 現在、玄関、勝手口などの建物外部で使用するアナログ錠やシリンダーは、法定の性能表示をおこなうことが義務付けられています。この表示が5分以上のものであれば、ピッキングに強いと表現してかまわないと考えられます。〈ピッキング防止法のページへ>>〉

 なお、最近はピッキング以外の不正開錠被害も取りざたされており、警察の広報も「カギを交換しましょう」から「玄関にカギを2つ以上つけましょう」に変化しています。高い防犯力を必要とする場合、総合的な対策をおこなう必要があるのです。

かしこいユーザーの、シリンダーの選び方
よく、「いちばん強いカギはどれですか?」と質問される方がいらっしゃいますが、性能表示内容を超えた部分はその業者の主観であり、答えにくい質問と言えます。ピッキング耐久時間に固執せず、使い勝手や、他の性能などを鑑みて選択してはいかがでしょうか。


  1. メーカーブランドで選ぶ  信頼できるメーカーの商品を選ぶほうが、後々のメンテナンスまで考えるとお得だと思います。

  2. キーの付属本数で選ぶ  シリンダーの付属キー本数は、メーカーによってまちまちです。最初から必用本数を考慮して選択しないと、なかにはあきれるほど複製が高価なキーもあります。

  3. キーのコピーセキュリティで選ぶ  大きく分けて『どこでもコピーが出来るもの』『専門のキーコーナーでなければコピーが難しいもの』『メーカーでなければ複製が不可能なもの』の3つがあります。

  4. ピッキング以外の性能で選ぶ  耐ピッキング以外にも、ドリル破壊やねじ切りなどの攻撃に耐えれるように考えられた商品もあります。

  5. 耐久性で選ぶ  本来、シリンダーの寿命は(使用頻度にもよりますが)7〜10年程度です。精密なハイセキュリティシリンダーは通常使用の磨耗による動作不良がおきやすく、メンテをしたくないズボラな人は、そのへんも考慮しないといけません。

  6. キーの形状で選ぶ  スタイリッシュなキーや小ぶりでかさばらないキー、おしゃれな合鍵が作れるキーなどがあります。せっかく多種多様な商品が出現しているのですから、趣味で選ぶのもひとつの妙味です。


 

ピッキング  よくある間違った報道認識
ピッキングに弱いシリンダーは、欠陥商品ですか?

 錠前技士の間では、「ディスクシリンダー」はピッキングで開けやすいものであることは知られていましたが、それは特殊技能の話であって、商品の欠陥でないと考えられています。この事件以前から、ピッキング被害はあったわけですし。
メーカーでは「不正な行為に対する瑕疵責任は負わない」と表明しています。
高価な鍵、外国製の鍵でないと防げないの?

 ある一定レベル(性能表示で5分以上耐久)以上のものであれば、窃盗団レベルでピッキングで開錠されることは稀です。価格が安かったり、外見は普通のかぎでも、ピッキングに強いものは、多数存在します。
「このカギしか安全なものはない」業者に薦められたのですが?

 単にその鍵屋さんが気に入ってるものだぐらいでお考えになったほうがいいでしょう。試しに、複数の鍵屋さんに聞いてみると、お勧め商品はすべて違う商品だった・・・ということもよくあります。その製品がいい悪いはべつとして。
「縦穴のカギ」は危ないの?

いわゆる「縦向きのカギを横向きに」と言うキャチフレーズは、美和ロック社がディスクシリンダー(縦穴)を、新標準シリンダーU9(横穴)へ交換しましょうという、自社キャンペーンのものです。縦横でピッキング難易度が変わるわけではありません。実際、MIWA製品で高防犯とされる「PR」も「JN」も縦ですし、他社の防犯シリンダーのほとんどについても、縦向き穴です。
「このカギも、最近開けられるようになった」と言われましたが?

 鍵屋も商売ですから、研究は欠かせません。そのなかで、方法が確立されたり、専用開錠工具が開発されることもあります。しかし、修練せずに短時間で開けられるというものでもありませんし、なにより市場占有率が低い特殊キーの開け方をマスターするのは効率的ではありません。短絡的にそのように言うのは、より高価なものを勧めたい営業トークと思ってください。
「鍵穴がないからピッキングできない安心な錠です」と、薦められましたが?

 ピッキングは鍵穴をいじる技法ですから、それがなければできないことは明白です。リモコン、指紋照合、暗証番号式のものなどがこれにあたります。ただし、それらのなかには、販売履歴が浅いものも多く、防犯力が低いものも少なくありません。だとすると、ほかのもっと簡単な手口で開けられてしまう可能性すらあります。一方的なCMに惑わされず、よく吟味して選定をしてください。























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